技術者の品格

 最近、品格やプライドのない技術者の方をよく見かけます。資格とは直接結びつきませんが、嘆きたくなることもあります…。

「分かる」という言葉の使い方

 まず「分かる」という言葉のハードルの低さに驚くことが多々あります。例えば新入社員に「Java分かるの?」と聞くと、「分かります」と即答、コードインスペクションをしてみれば、がっかりということがあります。私の「分かるの?」という質問も曖昧ですが、分かるという言葉は簡単に使うべきではありません。

 では、どのように答えるべきかというと、「分かる/分からない」のような主観的な評価用語ではなく、事実を伝えればいいと思います。例えば「学生時代に、●●のようなプログラムを組んだ経験はあります。」のように応えれば、そのレベルの判断は、聞いた側に委ねられるため、そこまで相違が発生しないのです。

 そういう意味では、資格は1つの客観的な指標になるため、例えば「IT系の知識がどれくらいあるか」という質問に対して、「●●資格を持っています」と答えることができるのです。


何も考えていない

 システム開発では、低コスト・短納期が求められ、品質や美しさというものが失われている現場も少なくありません。
 例えば、ある機能のテストをしてみた結果、なんの問題もなく動くとしても、裏で組まれているロジックを見ると、とても理解して書いたとは思えないものになっていることがあります。つまり、機能テストという目標に向かって、正しく結果を出すことだけを目的に、「メンテナンシビリティ」、そもそもの「指向」「本来あるべき姿」「スマートさ」などが欠けてしまっているのです。

 しかも、あえて欠けさせている訳ではなく、明らかに身についていないと思われる書き方だったり、それを検証する方も、「とりあえず正しく動くからいい」という判断を下したりしていることが問題です。
 技術者が職人のように言われることもありますが、職人ならば、目に見えぬところの心意気や、他人は意味を感じないところでのこだわりなんかを持っていたいものです。



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