基本情報技術者 合格体験記

基本情報技術者試験とは

基本情報技術者 合格証書  基本情報技術者とは、プロジェクトの中で初歩的な設計や、プログラミング、テストなどを行う人物を指します。基本情報技術者試験は、指導者から指示を受けながら作業をする人物の基本的な知識を問う試験です。
 ただし、「基本的な」とは言っても、その出題範囲は広く、「広く浅い勉強」をしなくてはならないため、ある程度の暗記も必要になる試験です。最近では学校の単位によって、午前試験が免除されるなどの特例もあります。  この試験の合格率は毎回約15%~20%という結果になっていますが、実際に資格学校の講座や、会社の新入社員教育などである程度勉強した方たちの合格率は約40%くらいだと思います。(あくまでも主観です。)それほど難易度は高くないため、システム開発に携わるのであれば、この資格をとっておいて損はないでしょう。

勉強方法

 基本情報に関しては、本当に自分でも関心するくらい勉強しました。勉強を始めたきっかけは、「入社」です。私の勤める会社では、新人に対して「基本情報」の教育が行われます。学生時代は興味もなかったので、初級システムアドミニストレータすら持っていませんでした。そのため、同期入社の社員に追いつくためには人一倍勉強する必要があったのです。

 まず午前対策。ひたすら参考書を読み、過去問を解くサイクルを繰り返しました。その中でも有効だと言えるのは、KIKIの情報処理の部屋さんです。このサイトの4択問題でひらすら過去問を解きました。数年前ですが、わたしはこのサイトで「世界記録」保持者でした。午前はテキスト⇔過去問の繰り返しでクリアできます。

 続いて午後。他の試験と違って、午後ⅠとかⅡという区切りがないのは幸せですね。しかも午後に関してもある程度、過去問の繰り返しでクリアできます。一冊過去問題集を購入して、それを何度も繰り返し、90%以上(答えの暗記ではなく)取れるようになれば、本番でもある程度の点数は取れるはずです。
 あと一つポイントとなるのは言語問題でしょうか。もし、学生や社会人でJavaやCをやった経験がある方なら、それを選ぶのもよいと思いますが、個人的にはそんな人にもCASLをお勧めします。私もCASLで受験しました。今となってはJavaもCもCOBOLも分かるのですが、なんと言ってもCASLはトレースが容易ですし、命令の数が少ない。少し頑張れば1週間で文法をマスターできますし、あとは過去問で対策するだけで問題ありません。しかも配点が高いとなれば、当日も言語問題から解くほうがいいのかもしれません。

 さっきから何度も書きましたが、過去問の繰り返しは本当に大切です。毎回、過去問から数題、多い時では10問近く出題されるのです。これを勉強しない理由はありません。


使用したテキスト

情報処理試験基本情報「午前」完全合格教本 福嶋 宏訓 (著) 新星出版社
情報処理試験基本情報「午後」完全合格教本 福嶋 宏訓 (著) 新星出版社
 実は上記2冊は学生時代に購入したものです。学校の授業で買えと言われて買ったという感じでしょうか。全く興味がなかったので、きれいにとっておいてありました。それを引っ張り出して使ったのです。最終的にはボロボロになるほど読み込みました。入門書としてはお勧めです。これにあやかって、ソフトウェア開発技術者のテキストも福嶋さんのものを購入しました。中には語呂合わせや分かりやすく図解されているものもあり、今でも頭の片隅でテキストの内容を思い出すことがあります。午後の方はちょっと難しい感じもあり、過去問を解く時に参考書として横に置いている感じでした。両方買っておいても損はないと思います。

1週間で分かる基本情報技術者集中ゼミ「CASL2」 浅井 宗海ほか (著)  日本経済新聞社
 よくあるこの手の題名「○○日で分かる・・・」。あるキャッシュフローの本なんて3日で分かるなんて書いてあったのに、ただ読みきるだけでもそれくらいかかるわ!という感じでしたが、これはホントに1週間で分かってしまいました。ただし、私の場合、全部は読んでいません。結構解説は詳しく書いてあるのですが、まどろっこしかったため、文法の部分だけ読んで、初日から演習問題をやってました。最初のうちは演習問題をやりながら、リファレンス的にこの本を見ながらトレースしていき、慣れてきたら何も見ないで同じ問題を解いてみました。1週間あれば過去問を解くレベルには十分到達できます。そこまでいったらあとはひたすら過去問です。私が受験した時は、試験前日に研修で出題された過去問が、コピーのように本番で出題されました。同期もみんなびっくりという感じでした。


受験に備えて

 色々なサイトで言われていますし、私もさっきから何回も書いている気がするのですが、基本情報の場合はひたすら過去問です。受験者の中には、過去問を暗記するだけでは資格を取る意味がないのではないかと思う人がいるかもしれません。しかし、そうではないのです。資格を取ってから実務で経験・勉強していくのでも遅くはないのです。
 経験をする前に、理論だけ押さえておくことで、実際の場面に遭遇した時に、その知識は確実に、そしてスンナリとものになるのです。資格は「経験の証明」だけに取るものではないのです!
 あと当日は、試験会場に少し詳しめのテキストを持っていきましょう。私が受験した時は午前問題で「クロスサイトスクリプティング」という言葉が出て、答えることができませんでした。(今現在では普通に用いられる用語ですが…)その頃はそんなメジャーな用語ではなかったため、昼休憩にテキストで調べても答えは分かりませんでした。すると午後、またクロスサイトスクリプティングが出てきて、「しまったー」と思った覚えがあります。午前で分からなかった用語は、午後までに分かるようにしておくとよいでしょう。


受験を終えて

 私の初めての情報処理試験だったので、完全に午後の時間配分を失敗しました。得意としていたCASLも痛恨のミス。絶対合格できると思っていたのにも関わらず、合格発表まではドキドキでした。結局午後は605点で合格。ぎりぎりでした。
 試験の時はマークシートと同時に問題用紙に○を付けるようにしましょう。後で自己採点するためです。基本情報においては、当日中に公式サイトを含め、色々なサイトで答えが公開されるので、気になる人はその日のうちにチェックしましょう。
 また、合格された方は上位資格である「応用情報技術者」(旧ソフトウェア開発技術者)をぜひ受験してみてください。それほど出題範囲は変わらず、内容が掘り下げられるので、ステップアップのいい材料になると思います。


新試験制度(平成21年度~)になって

 新試験制度でも「基本情報技術者」の名前はそのまま残っています。出題内容に関しても試験センターが「試験問題のレベルは,現行の基本情報技術者試験とほぼ同じ。」と定義しています。上記合格体験は、新試験制度下においても、同じことが言えると思います。



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